MESSAGE[メッセージ]

ミヒャエル・ヘフリガー【ルツェルン・フェスティバル芸術総監督】  2015年10月24日〜11月3日にルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァが福島で開催されます。2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災された方々への支援プロジェクトが始動してから、今年で3回目を迎えることができました。この「新しい方舟」の目的はアートを通して希望と信頼を築くこと、それを分かち合い、視野が広がる起点になれば…という考えでした。梶本眞秀氏、建築家の磯崎新氏、そしてインド出身イギリス在住の彫刻家アニッシュ・カプーア氏と共にこのアイディアを具体化し、その完成品が、この膨らまして使える可動式のコンサートホールです。以来、アーク・ノヴァは東北地方の文化復興を支援してきました。
 ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァは2013年秋に松島で始まり、昨年11月は仙台で開催されました。そして今年「音楽の方舟」が碇泊する福島も、3.11で甚大なる被害を受け、その影響が残る地域です。その地域でアーク・ノヴァは今回も世界的なレベルのパフォーマンスを繰り広げる会場としてだけでなく、人々が自然と集まるような、国際的な音楽家と地元の音楽家、芸術家、そして聞きに来てくださる皆様の交流の場所として、多様な空間を創り出します。様々なジャンルのプログラムを提供することで、より多くの方々に興味を持っていただけるのも、このプロジェクトの魅力の一つです。斬新な建築が音楽に交わる特殊な空間を体験できることでしょう。
梶本 眞秀 【ARKNOVA実行委員会実行委員長/KAJIMOTO代表取締役社長】  2011年3月12日、ルツェルン・フェスティバルの芸術総監督であるミヒャエル・ヘフリガー氏から大丈夫か?という電話が入りました。そしてすぐに彼から、被災者のために何かをしたいという相談を受けました。最初は、ルツェルンでチャリティコンサートをして義援金を送ろうという話でしたが、それだとそのお金が何に使われるかわからない、せっかく音楽でつながった日本の人々への友情の証なのだから、何か別の形でその気持ちを表せないか、という話になりました。
共通の知り合いである建築家の磯崎新さんに相談したところ、彼から、物事が一旦落ち着いたら人々がまた芸術に触れるときがくる――その時のために、風船を膨らませたような被災地を巡回できる移動式の劇場を創ろうという夢のような話になりました。
 その頃、パリで彫刻家のアニッシュ・カプーアのリヴァイアサンという作品の展覧会が行われていました。磯崎さんは移動式コンサートホールのデザインをリヴァイアサン風にしたいと言い出し、それに応えてカプーア氏が参加し、続いてスイス大使のウルス・ブーヘル氏が参加、すべての役者が揃いました。


 人間には、戦争を起こすような愚かな部分がありますが、このアーク・ノヴァは、人間の良心、よい部分、国境を超えて人が人を心配する心が、かたちになって表れたものです。それが我々の目の前にある。素晴らしい人間の心の表れです。こういう心、行動が我々の中にある限り、我々には希望がある。「美は世界を救う」という言葉が思い出されます。日本では、今年が最後の開催です。どうか、お楽しみください。
福島市長 小林 香  「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ2015」が福島市において開催されますことを、市民を代表して心から歓迎申し上げます。
このイベントは、ヨーロッパ屈指の音楽祭である「ルツェルン・フェスティバル」が、東日本大震災の被災地に、音楽を通じて感動と希望を届けるために立ち上げたもので、本市での開催はスイス大使館のご支援等により実現したものです。
 さて、本市では、「いのちを大切にするまち」、「女性が活躍できるまち」、「子どもと高齢者を大切にするまち」、そして「活力あふれるまち」を重点施策とし、震災からの復興と未来を拓くまちづくり「みんなが誇れる県都ふくしまの創造」を力強く進めています。
 このような中、人々に音楽を通して感動と希望を届ける「アーク・ノヴァ2015 in FUKUSHIMA」が開催されますことは、世界の皆様に福島の元気な姿を発信する千載一遇のチャンスだと考えております。
 結びに、開催にあたりご尽力いただきました皆様に深く感謝申し上げますとともに、全国から数多くの皆様がお越しいただき事業の目的が大きく花開くことを祈念し歓迎のメッセージといたします。